感想:青い鳥文庫『クレヨン王国の十二か月』を読む。
クレヨン王国の十二か月(新装版) クレヨン王国ベストコレクション (講談社青い鳥文庫)
- 作者: 福永令三,椎名優
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昨日まで寒かったと思ったらもう4月の中旬の気温だとか…。
まだ3月なのに、ここ数年気温の変化が激しい気がします。
前回の「オズの魔法使い」のレビューっぽい何かは全くレビューにもなっていなかったので反省しています。
といっても今回も(というかいつものこと)一定水準以上のレビューにすらなっていないのですが(苦笑)
あらためて今回は「クレヨン王国の十二か月」(以下、本作)について、です。
本作は全47冊のシリーズものの、第1作目です。
今プリキュアが放映されている枠で、昔本作のアニメが放映されていて観た人もいるのではないかなあ、と思います。
ちなみにアニメではシルバー王女でしたが、本では王妃です。
ニワトリのアラエッサやブタのストンストンは本作では登場していません。
また、Wikipediaにもあるとおり、アニメは"コメディ色が濃く(…)魔法少女アニメ風の設定"であるのに対し、"詩的描写が特色の原作とは雰囲気が異な"っています。*1
アニメしか観たことがない人は多少戸惑うことでしょう。
まあ、アニメをリアルタイムで観た層が今更、わざわざ子供向けの本を読むとは思えないんですが。
あらすじは次の通り。
大晦日の夜、主人公のユカが寝ていると話声が聞えてきました。
ユカはそっと目を開け、声の聞こえるほうへと意識を向けます。と、そこには十二本のクレヨンとカメレオンがなにやら話し込んでいるではありませんか。
カメレオンは言うのです。
「ゴールデン王様が家出をなすった。
これは大変なことだ、王様がいないままだと世界から色が消えてしまうのだ。なんとかしてこの一年のうちに連れ戻さないと。」
カメレオンは続けます。
「さっそく王妃様には王様を連れ戻しに行っていただくわけだが…、
ただ困ったことがある。それは王様が、シルバー王妃様が十二の悪い癖を直さない限り帰らないとおっしゃっているのだ。」
ユカは話を聞いているうちに、この話し合いがクレヨン王国の閣議だということがわかりました。
カメレオンが総理大臣で、十二色のクレヨンがそれぞれの大臣というわけです。
クレヨンたちはそれぞれの月を治めています。*2
そこで総理はそれぞれの大臣に、
・王妃様が王様を探す際には協力して欲しいということ
・王妃様のお手伝いをできる者がいれば教えてほしいということ
…の2つのことをお願いするのですが、2つ目に関しては誰一人知らなくて、そのうち大臣たちは王妃様の十二の悪い癖について好き勝手に言い合います。
黙っていたユカは面白くなって忍び笑いをもらしたあと、「そんなに好き勝手に言っていいのかしら?」と大臣たちに訊ねます。
と、そのときにお妃様が現れ、ユカに感謝するとともに、ユカをお供にすることを決め、二人で王様を探しにいく旅に出かけることになりました。
といったのが主なあらすじ。
14章で構成されているうちのはじめの1章をまとめてみました。
読むとわかるとおり、アニメとは基本的な設定は同じにしつつも違うことが良くわかると思いますね。
各月ごとにシルバー王妃は自分の悪い癖と同じような「人たち」に出会います。
そこで自身の癖について反省していくといった道徳的な側面がありますが、読んでいる最中にそれを感じることはありません。
主人公たちは勿論、主人公たちが出会う人たちも魅力的で彼女たちのやりとりが面白く、楽しく読むことができると思います。
また詩的描写が作品に深みを与えていると感じました。
それに色んな人(生き物)が登場します。作中に出てくる詞はどれもこれも面白くて好きです。
新装版の最後に、【クレヨン王国ベストコレクション】としてシリーズの中でも特に人気があったものを年に1冊ほどのペースで刊行していく予定とあります。
読んだことがない人は勿論のこと、アニメだけでしか本作に触れたことがない人も、これを機に読んでみるのはいかがでしょうか。
以上がレビューっぽい何かでした(笑)
一応、しょっぱいですが感想もあったことだしレビューっぽい何かとしては最低限のことをやったつもりですが。
まあ、あらすじについてはもう少しコンパクトに書くように気を付けます。
ということで今回はここまで。良かったら次回も読んで頂けたら幸いです。それでは失礼します。
(文・草間ノブユキ)