感想:偕成社『不思議を売る男』を読む。
- 作者: ジェラルディンマコーリアン,佐竹美保,Geraldine McCaughrean,金原瑞人
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 1998/06
- メディア: 単行本
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今年、初めてのレビューっぽい何かは、「不思議を売る男」です*1。
不思議を売る男の表紙ってちょっと怪しい感じですよね(笑)
でも、この怪しさに騙されちゃあ、いけない! ここで読まずに回れ右をしてしまうと損をしてしまいますよ!(多分)
まあ、有名な本で面白さも折り紙付きです。
あらすじ(作品紹介)*2
古道具店で働く謎の男は、店の品物の由来を語って、客をその品物に夢中にさせた。古道具にまつわる11編の不思議な連作短編集。
以下レビュー(感想)ぽい何か、という名の雑記
本当は、作品紹介も自分の言葉で書くつもりでしたが(汗)
さて、連作短編集となっている今作ですが、ひとつひとつの話が程良い長さとなっているため、朝読書にはちょうどいいのでは?
…と、思います。小学生5・6年生が対象ということですし。因みに全部で13章で構成されていて、各章のタイトルは以下のとおり。
第1章 本の国から来た男 / 第2章 大時計 [迷信の話]
第3章 寄せ木細工の文房具 [嘘つきの話] / 第4章 中国のお皿 [大切なものの話]
第5章 テーブル [大食漢の話] / 第6章 ハープシコード [誇りと信頼の話]
第7章 傘立て [かんしゃくもちの話] / 第8章 鏡 [虚栄心の話]
第9章 ロールトップ・デスク [犯人探しの話]
第10章 木彫りのチェスト [いつわりの話]
第11章 鉛の兵隊 [誇りの話] / 第12章 ベッド [口にするのも恐ろしい話]
第13章 答えはひとつ
ここで、この本を手に取ったことがなく上記タイトルに興味を持った方!
是非、手に取ることをお勧めします。子供向けということですが、舐めないほうがいいですよ!
舐めて読まないだなんて、もったいない!
登場人物だけでなく読者も一緒に引き込んでいくような語り口。寓話じみたものだったり、ロマンスだったり、マジックリアリズム的だったり。
…と、魅力に溢れているものばかり。
特に第11章の鉛の、兵隊 [誇りの話] は素晴らしい。
登場人物は、軍人ではなく軍医になりたい息子と軍人である父親、それを見守る叔父の3人、舞台は親子の家の中。
息子は叔父によって将来を賭けた戦争ゲームを父とすることに!?
雑にまとめるとこんな感じなのだけれども、良く出来ている。
これを読むだけでも価値があると思いますよ? 連続短編でありながら挿話でもあるので、この部分だけでも大枠がわからないにしろ楽しめますし。
勿論、全て読むことをお勧めしますが。
サブカルに慣れ親しんでいるとオチを読みやすいかもしれません。まあ、これはあくまで個人的感想。それでも十二分に楽しめます。
機会があれば是非!
…と、以上です。今回も雑で申し訳ないのですがこんな感じで。
ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます。よろしければ次回も読んで頂ければ幸いです。それでは失礼します。
(文・草間ノブユキ)